明治神宮へ雨の散歩
今日は明治神宮へ。
6月に入って、明治の森は雨にけむっている…どの写真も白く霞んでみえる。
人が少ない早朝に友人と待ち合わせたのに、もう大勢の人が出ている。
雨でも何か良い事があるかもしれない・・という期待を持って家を出てきた。
参道に入ると、日本の神社に特有の、威厳のある雰囲気が漂っている。
明治神宮の蓮池。
鳥が二羽、森の木の枝にとまっているのを見つけた。
林を抜けて、
明治神宮本殿へ。
結婚式の行列が通っていた。
雨上がりの林は、人通りが少ない。
林を抜けると、東京のビル群が見える。
そんなところに、この大いなる楠は立っている。
根元から何本も株わかれしていて、樹齢はそうとう古そうだ。
木に触ってみると、長い歴史を生き抜いてきた貫禄を感じさせる。
梢の下に座る友人。
ここは人通りも少なく静かなので、トーニングをすることにした。
声を即興で出していると、かなり気持ち良くすっきりしてくる。
森や林や木が、生きているかのように魅力的に、可愛く見えてきた。
感動的とも言える程で、写真を何枚も撮ったけれど、それはその時にしか味わえないものだった。
幹の向こうに何が見える?
蓮華寺〜糺ノ森
今日も早朝散歩するつもりだったのに、朝から雨降りだ。
雨が降る事を考えていなかった。
朝遅くまで、ゲストハウスにいるのもいいけれど、それより早めに出かけるのが良さそうだ。
雨だからこそ良いことはないだろうか?
・・というわけで、今日は蓮華寺に行くことにした。
駅を出て住宅街を30分程歩くと、山が迫ってくる。
川のせせらぎの水音が聞こえてくる。
蓮華寺は、誰も気がつかないような小路を曲がったところにあった。
門をくぐると、一面苔に覆われた林が目に飛び込んできた。
中に入ると、数人の人たちが静黙で庭を眺めている。
私もそこに加わる事にした。
自然と対面して、ただそこにいる・・。
ここに座っていると、他人がどうして欲しいかではなく、自分はストレートにどうしたいのかを、問われているような気分になってくる。
余計な頭の中のおしゃべりが静かになってきて、段々すっきりしてくる。
その後、下鴨神社に向かった。
雨あがりの糺ノ森。
今朝は小雨が降っていて良かった。
大神神社〜狭井神社〜三輪山
東大寺への散歩の後、バスに乗って外を見ると、真っ直ぐな雲が空を横切って伸びていた。
一緒にいた友人が彩雲を見つけた。
大神神社の森の陽射しも眩しい。
ここは、日本人に失われがちな、大いなるものへの崇拝の念を持つ人々の姿を見ることができる。
今日は、三輪山へ。
私たちは、ほとんど無言で登っていた。
狭井神社の水で喜ぶ石たち。
吹き降ろす涼しい風。
首にかけた鈴の音。
日陰の植物たち。
伏流水の冷たさ。
小川を流れる水音。
ウグイスの鳴き声。
登るにつれて変わる空気。
古木や磐蔵の石のエネルギー。
山頂の磐蔵で飛ぶカラスアゲハ。
いつもより、感覚が研ぎ澄まされるような気がする。
日頃、肩や足が痛いといっているひとがすることとは思えない。
この体育会系の旅のおかげで、体の痛さはどこかに吹っ飛んでしまったようだ。
登り初めて降りてくるまで3時間はかかった。
久しぶりの山登りに膝が笑っている。
帰りに食べた三輪素麺のにゅう麺と柿の葉寿司、それにほうじ茶は、とても美味しかった。
東大寺へ朝の散歩
奈良で泊まったのは、東大寺大仏殿の裏手にある、「小さなホテル奈良倶楽部」。
ゆっくり自分のペースで落ち着けるホテルだ。
館内には、ポジャギという韓国の布が飾られていて、オーナーご夫妻の個性が感じられる。
翌朝早く起きて、東大寺二月堂に散歩に出かけた。
その日は朝陽が眩しくて、特別な一日になる予感がする。
大仏殿が見えてきた。
朝陽の中で、草を食べる鹿たち。
階段を上って、二月堂へ。
正面に見える三角の屋根は、東大寺大仏殿。
個性的な狛犬が見張っている。
意味ありげな雲が集まってきて、
大仏殿のところで、まとまった。
これは、鳳凰の形。
そういえば、大仏殿の几帳には鳳凰がいた。
遠くに鹿の群れがくつろいでいる。
少しずつ近づいて行ってみた。
それでも鹿は動かない。
一緒に座って、鹿の気持ちになってみよう。
鹿は、こうしているだけで満ち足りているのだろう。
心身ともに、ここにしかいない。
ここ以外には行かない。
天河神社〜丹生川上神社下社
5月末、関西で数日間の空きができたので、友人と奈良に行く事にした。
杉の森林には、雨がよく似合う。
一の鳥居から本殿まで、微妙に角度が変わっているのが美しい。
なにか意味があるのだろうか?
二の鳥居をくぐって階段を上ると、ご祈祷の最中だった。
私たちは、後ろの祭壇の下の方で同席させてもらう事にした。
4人の若い男女が、芸術の道を成就するという内容の祈願をしていた。
太鼓の音と神主さんの祝詞の声が辺りに響きわたっている。
奈良駅から2〜3時間もかかる山中にある神社だというのに、まもなく次のご祈祷が始まった。
今度は独特の調子で歌い上げていて、意味は分からなかった。
なんでも、人によって違う内容になるとか。
これも同席させてもらい、本殿の空気を味わっていた。
本殿は、静寂さが保たれていて写真撮影はできなかった。
この辺りの川は、どこに行っても清く美しく流れている。
そこに小さな神社があったので、帰りに寄ることにしていた。
丹生川上神社下社。
これは、とても優しいご神木だ。
樹齢が何百年もある木は、村の歴史をずっと見ているのだろう。
境内には、二頭の馬がいた。
京都の貴船神社と共に祈雨、止雨の神として祈雨時には黒馬、祈晴時に白馬が奉納されたそうだ。
翌日はお祭があるので、馬のたてがみや尻尾を刈りそろえたり、地面を掘り起こしてならしたりして、準備をしているところだと、地元の人が教えてくれた。
富士山へ
富士浅間神社へ足を踏み入れると、木立の中に光が差していた。
一面の松林の中を歩いていると、カジカの大合唱が聞こえる。
セミ時雨に似ているけれど、季節から言ってセミではない…と思う。
今日は、去年シャスタに行った時に、ワンドの購入でお世話になったニーナさんと、ジェフリーさんが主催する、ビーコン・オブ・ライトに参加した。
シャスタに行くと決めた時、ここに参加する流れの中に入ったのだと思う。
それは、シャスタで知り合った友人の方々もおそらく同じで、あの時、素晴らしいタイミングでお世話になったニーナさんに会って、セレモニーに参加しなくては・・という気持ちだった。
私は、シャスタのワンドを背負って、会場であるパインズパークにやってきた。
セレモニーの前、富士山は姿を現しており、青い空には筋斗雲のような雲が、フワフワ浮かんでいた。
セレモニーの後は、のんびりと何もしようとせずに、木陰に座って過ごしていた。
お昼を過ぎると、富士山は雲に隠れた。
翌朝起きて窓を開けると、青空にくっきりと富士山が見えた。
なんて澄み切った姿だろう。
ホテルに泊まった人たちは、これ程きれいな富士山は、なかなか見れないと言っていた。
朝食をすませると、森を抜け、山を越えて、
水のエレメントを求めて、忍野八海に向かって歩いた。
これは、底抜池。
鏡のように静まり返っている。
池の中に物を落とすと、隣の池で見つかるのだそうだ。
これは、釜池。
小さな池なので通り過ぎてしまうところだった。
コバルトブルーのところは、とんでもなく深い。
山中湖と忍野八海は、昔、宇津湖と言っていたそうだ。
そこに溶岩が流れて今の形になった。
小さいからといって、油断してはいけない。
今でも、それぞれ繋がっているのだそうだ。
宇宙に? それとも黄泉の国に?
この辺りには、シャスタのおもかげがある。
現地では、友人の車で移動させてもらいましたが、シャスタのよう…と思うことが時々あった。
火山と、伏流水からできた湖と、植物と動物など、同じような条件がある土地は、同じような環境になるのだろう。
忍野八海は、外国人観光客が多いのが残念だ。
それでも、かなり早朝の時間帯に行けば、静かに水のエレメントを味わえる貴重な場所だと思う。