もう少し
ついこの間まで地球は丸いと思っていたけれど、
水平線のかなたでは海水が宇宙に流れ落ちていたりして。
足元の片隅が少し崩れて、それが広がっていくのかと思ったら、
こちらの地面では何かが芽吹いてきそうな気配がする。
芽吹いたつるが伸びていって導いてくれるだろう。
こんな時、私はいつもそうなのだ。
今度も多分急ぐ必要はない。
「それは、運命ですね」と言ったら「自由なのが一番ですよ」と返事が返ってきた。
「知らない人に話しかけられるようになったら、次のところに行くのがいいですよ」
さりげなく導いてくれるこの人は私が見つけて会いにいった。
このような人のおかげで私は立っていられる。
限りなくトパーズに近いアクアマリン。
太陽の光にかざすと、気泡が光を反射して輝く。
私はこんな街に来るはずではなかったけれど、もう長いことここにいてしまった。
多少のことでは揺れ動かなくなったけれど、多分もう少しこの街にいるだろう。