5月6日はキース・ジャレットのコンサートへ

 

まずは、地下のフランス風イタリアンレストランへ行ってから、コーヒーショップへ。そして、開演30分前には会場へ。今日の座席は前から5番目のピアノの鍵盤が見える席だ。キースの演奏会はいつも緊張感が漂う。なぜならピアノの即興演奏なので、瞑想状態になる必要があるからだ。キースはシャーマンなのだ。去年は、キースジャレットトリオでの来日で、最終公演でたいそうな盛り上がりを見せていて、私たちもスタンディングオベーションでアンコールを求めたものだが、今年は、ソロの即興演奏だ。

 

 呼吸法等自分なりにやって心を落ち着かせながら待っていると、教会風の鐘がなる。キースは大きな物音がすると演奏を続けられなくなるので私たちは咳もしないようにする。私はお守りとして今日は、水とハンカチを用意してあるので大丈夫。実際に、曲の出だしの部分で大きな咳をした人がいて演奏が中断された。穏やかに「演奏が続けられない」とコミカルなしぐさをして、初めからやり直していた。曲の雰囲気は同じだが、メロディーはさっきと違う。このような事があっても、彼は日本を愛していると思う。

 

今日は、やや前衛的なクラシカルな水の流れるようなタッチの曲が多かった。おそらく、その時々の心境によって、曲調が変わってくるのだろう。若いころの曲はそれなりに激しいものも多かったが、年齢を重ねるにつれて今日のような曲が多くなってくる。バッハが今の時代に生きていたらこんな感じかなと思うが、遡ってとてつもない過去に私は彼の演奏を聴いていたのではないかという妄想にも浸っていた。キースのピアノの音はとても美しいので、他の演奏会にはご無沙汰していて、年に一度、定例行事になっているのだ。

 

今日は、指の動きも良く見える。鍵盤の上を何十本にも見える指が舞うように流れていく・・。いつものように目と耳で聴こうかと思っていた。目で見ようとすると視覚に意識が行って音が味わえなくなるような気がするし、目の前の席の人のように目をつぶって聴いていると、せっかく生演奏を聴きにきているのにもったいないような気になってくる。

 

そうでなくても、クラクラジンジンしているので、ついでに「音楽を体感で感じる」をやってみようと思って途中から体感モードに切り替えてみた。うんうん、大丈夫。体の中心から上の部分で感じるみたい。きっともっと上で体感では感じられない感覚もあるのだろう。もし、音を色彩感覚で味わえるのなら今日の演奏はどんなに美しいのだろう。時間がとても短く感じられて、気が付いたら、21時を過ぎている。タイムスリップもさせてくれたのだろうか。

 

少し後ろの方の席で、英語で「今の演奏、良かったよ~」みたいな事を語りかけた人がいた。キースは、それに答えていた。もし、キースと差しで話ができるなら、英語の勉強頑張っちゃいますよ。英会話スクールいきますよ~。

 

今日のアンコール曲は4曲くらい。私が分かったスタンダードナンバーは、「サマータイム」だけだった。これは私の好きな曲。

 

 

Summertime

Summertime, And the livin' is easy
Fish are jumpin' And the cotton is high
Oh your daddy's rich and your mamma's good lookin'
So hush little baby, 
Don't you cry

One of these mornings
You're going to rise up singing
Then you'll spread your wings
And you'll take to the sky
But till that morning
There's a'nothing can harm you
With daddy and mamma standing by

 

f:id:herbteatime:20140509094316j:plain 

 

 

 

http://herbteatime.hatenablog.com/