お星さまに帰りたい
最近、喪服を着る機会が多かった。
幼児の頃からお世話になった親戚のおばさん何人かと、久しぶりに話をしていた。
そこで、よく言われるのが、
「小さい頃、よく泣いていた。
遠くからも聞こえるような、よく響く大声で。」
私には記憶がないので、3〜4才の頃の事だろう。
聞き流していたのだが、今回、興味深い証言を聞いた。
これは十代半ばで私の家に一緒に住んでいた叔母が、私たち兄弟の思い出をひとりひとり話してくれたのだが、私の思い出として印象に残っているのは、
「毎日『お星さまにかえりたい』と言って泣くので、困っておばあさんに相談したら、『そのうち治るから心配要らない』と言われた」
とのこと。
なにか、めめしく泣いてばかりいた子と言われるのは、いい気分がしないので、
「私は覚えていないけど、、」というのだが、こう何人もの人から言われると、認めない訳にはいかない。
私はその頃から、生きていてしっくりこないものがあったのだろうなあ。
今でこそ泣かないが、その気持ち、わかるような気がする。
かぐや姫は、月の都からお迎えが来て帰っていったのだが、わたしの田舎には、お星さまから迎えは来なかったらしい。